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トピックス(活動報告)

2026年01月13日

「志は、次の世代へ―『世のため人のため』を形にしてきた10年」

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子どもたちの学びの現場で実感した、続けることの意味

新しい年のはじまりに、藤井財団 理事長・藤井勝典は、静かに昨年を振り返ります。
子どもたちの学びの現場で広がりを見せた「世のため人のためアニメシリーズ」。
学校や図書館、自治体から届いた数々の声と感謝状は、活動が確かに届いている証でした。

人生の後半に差しかかり、「世のため、人のためにできること」を問い続けてきた藤井理事長。
その思いは、アニメを通して、今、次の世代へと手渡されようとしています。
新年に寄せて、これまでの歩みと、これからの展望を語っていただきました。

 

笑顔で話し始める藤井理事長

 


 

新しい年を迎えられて、今はどんなお気持ちでしょうか。
まずは、昨年を振り返っての率直な思いをお聞かせください。

 

藤井理事長

新しい年を迎えて、まず感じるのは「ありがたいな」という気持ちですね。
健康で、こうして皆さんとお話ができていること自体が、もう十分に幸せだと思っています。

昨年を振り返ると、財団としても一つの大きな節目の年だったと感じています。
設立から10年以上が経ち、「続けてきたことが、ようやく形になって見え始めた年」でした。
10年続けなさい、と先輩方に言われてきましたが、本当にその通りで、昨年はまさに転換点でした。

 


 

昨年の財団活動の中で、特に印象に残っている出来事は何でしたか。

 

藤井理事長

一番印象に残っているのは、「世のため人のためアニメシリーズ」が
鳥取県の小学校で、道徳の授業として正式に使われたことです。

まさか、自分たちがつくったアニメが、学校の授業になる日が来るとは思っていませんでした。
実際に教室を見せていただくと、子どもたちが作品を視聴し、
すぐに感想を書き、先生がそれを拾い上げていく。子どもたちは一人一台のタブレットを持っていて「ああ、これは今の時代に合った新しい学びの形だな」と強く感じました。

 


 

あらためて「世のため人のためアニメシリーズ」は、
どんな思いから始まった取り組みなのでしょうか。

 

藤井理事長

きっかけは、日本の子どもたちが触れる「偉人伝」の偏りでした。
科学者や発明家は多いけれど、戦後の日本を支えてきた企業家の姿は、
ほとんど語られていないと感じたんです。

企業家は、特別な才能を持った一部の人だけの存在ではありません。
一人でも始められるし、身近な生き方でもある。
だからこそ、「こんな生き方もあるんだよ」と、子どもたちに伝えたかった。
それが、このアニメシリーズの原点です。

 

真剣な表情で語る藤井理事長

 


 

DVDやクラウドサービスを自治体や学校へ寄贈されたとき、
現場からはどんな反応がありましたか。

 

藤井理事長

本当に、ありがたい反応ばかりでした。
教育現場の先生方や子どもたちから、直接「ありがとう」と言っていただける。
これは企業経営を50年以上やってきても、なかなか経験できなかったことです。

学校や図書館、学童保育の現場では、
「子どもたちが真剣に見てくれた」「感想が止まらなかった」
そんな声をたくさんいただきました。
顔が見える感謝というのは、人生の後半において、胸に深く響きますね。

 


 

多くの感謝状を受け取られていますが、
それらを手にして、どんなことを感じていらっしゃいますか。

 

藤井理事長

正直に言うと、「こんなに褒めてもらえることがあるんだな」と思いました。
企業活動では、評価はあっても、感謝を直接伝えられる場面は多くありません。

でも財団活動では、子どもたちや先生方の思いが、
そのまま言葉や表情として返ってくる。
人生の後半で、これほど温かい評価をいただけるのは、本当に幸せなことです。

 

たくさんの感謝状

 


 

この取り組みを通して、
「やってきてよかった」と実感された瞬間があれば教えてください。

 

藤井理事長

やはり、アニメが授業として使われている教室を見たときですね。
子どもたちが自分の言葉で感想を書き、それを共有する姿を見て、
「ああ、これはちゃんと届いている」と実感しました。

図書館への寄贈、学童保育での上映、そして学校の授業へ。
少しずつステップを踏みながら広がってきたことが、
一本の線としてつながった瞬間でした。

 


 

「世のため人のためアニメシリーズ」や財団の活動について、
今後思い描いている展開はありますか。

 

藤井理事長

これからは、シリーズに「女性のロールモデル」をもっと加えていきたいと考えています。
日本には、もっと評価されるべき女性がたくさんいる。
子どもたちが「この人を目指したい」と思える存在を、
アニメを通して示していきたいですね。

また、クラウドを活用して、
現場の声や子どもたちの感想が双方向で届く仕組みづくりにも挑戦していきたい。
一方通行ではなく、つながりのある教育支援を目指したいと思っています。

 


 

新しい年に向けて、
子どもたちや教育現場、そして活動を支えてくださる方々へ、メッセージをお願いします。

 

藤井理事長

子どもたちには、「人生には、いろいろな生き方がある」ということを伝えたいですね。
誰かと比べる必要はありません。
自分が「これが好きだ」と思えるものを、続けてほしい。

教育現場の皆さま、そして活動を支えてくださる皆さまには、
心から感謝申し上げます。
この活動は、私一人では決して続けられませんでした。

新しい年も、世のため、人のために。
一歩ずつ、できることを続けていきたいと思っています。

 

最期に笑顔で語る藤井理事長