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2026年02月19日

「常識を疑うところから、教育は始まります」── 和田秀樹先生にインタビュー、少子化時代の「本当に必要な学び」とは

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「知識を得るだけなら、もうスマートフォンで十分です」と語るのは精神科医であり、900冊以上の本を執筆してきた和田秀樹先生です。長年にわたり読書と執筆を続けてきた和田先生が、今、教育で大切だと強く主張しているのが「常識を疑う力」と「考える力」です。少子化や教育格差、AIの急速な発展など、大きく変化する時代の中で、日本の教育はどこに進むべきなのでしょうか。本対談動画では、和田先生の言葉を手がかりに、その核心に迫ります。

 

 

なぜフィンランドの教育が注目されるのか

話題は、日本とフィンランドの教育の違いへと移っていきます。
フィンランドは「世界一の義務教育」と評される国です。
その背景について、和田先生は次のように語ります。
「フィンランドは小国で、資源もない国なんです。だから、教育を受けた人たちが新しいことを生み出すことで、その国を支えているんですよ」
携帯電話のノキアをはじめ、ゲームやソフトウェア産業などがそうです。
産業の形が変わっても、教育が国の基盤であり続けてきました。
さらに印象的だったのが、人口減少に対する考え方です。
「子どもの数が半分になったら、生産性を倍にすることを考えるんです」
数を増やすのではなく、質を高めるという発想です。
和田先生は、ここに日本が学ぶべき本質があると指摘します。
「子どもの数が減っているなら、教育に力を入れて、生産性を倍にすりゃいいじゃないですか」と。

 


「落ちこぼれを作らない」少人数教育

フィンランド教育の大きな特徴の一つが、少人数制です。
「1クラス18人くらいで、先生の目がちゃんと届く。一番できる子にも、一番できない子にも、それぞれに合った課題を出せるんです」
その目的は、非常に明確です。
「一人の落ちこぼれも作らない、ということですね」
基準に達しなければ留年もあります。
「ある程度以上の教育レベルに達した人でないと、社会に出さない、という覚悟があるんです」
この姿勢こそが、教育の質を支えていると言えるのではないでしょうか。

 


日本の教育が抱える最大の問題点

日本の教育の何が最も問題なのでしょうか。
「一番大きな問題点は、『基礎学力の軽視』ですよ」
かつて日本は、基礎学力において世界トップレベルを誇っていました。
しかし1990年代以降、その状況は変わっていきます。
「もう負けているのに、2002年に『ゆとり教育』をやった。だから、正直言って、かなり絶望的ですよね」
その影響は、IT産業にも及んでいると話されます。
「韓国や台湾のIT産業を支えているのが、当時の子どもたちなんです」
教育が、国の将来と直結していることがよく分かります。

 


AI時代に「勉強はいらない」のか

AIの登場により、「これからは勉強はいらない」という声も聞かれます。
しかし和田先生は、この考えを明確に否定します。
「AIが出してきた答えをちゃんと読めて、『この答え、つまんないな』って思える能力が必要なんです」
電卓が普及した時代の話を引き合いに出しながら、こう続けます。
「考えさせない教育を、やりすぎているんですよ。だから、もっと『考えさせる教育』をやるべきなんです」
その前提として重要なのが、読む力です。

 


子どもを本好きにする、たった一つのコツ

最後の話題は、子どもの読書についてです。
「読書で一番大事なのは、『世の中にはいろんな考え方がある』って知ることです」
そして和田先生は「乱読」を勧めています。
正解か不正解かをすぐに決めつけず、幅を持つことが大切だといいます。
そして、最も大切なこととして、こう語りました。
「子どもが読みたいものを、喜んであげることですね」
押し付けないこと。
楽しさを奪わないこと。
「読書そのものが楽しい体験だったら、子どもは自然と本を好きになります」

 


おわりに

常識を疑い、考え、読み続けること。
それは特別な才能ではなく、誰にでも開かれた力です。
和田秀樹先生の言葉は、教育の話であると同時に、
私たち大人自身への問いでもありました。
私たちは、考えているでしょうか。
最後まで、きちんと読んでいるでしょうか。
その問いから、次の時代の学びは始まっていくのかもしれません。

 

 

[和田秀樹氏プロフィール]

1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。
現在、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長、 立命館大学生命科学部特任教授 。
1987年の『受験は要領』がベストセラーになって以来、大学受験の世界のオーソリティとしても知られ、代表を務める緑鐡受験指導ゼミナールは毎年無名校から東大合格者を出し、話題となっている。
主な著書に『80歳の壁』『ぼけの壁』(幻冬舎新書)『テレビの大罪』(新潮新書)、『受験は要領』『[新版]「がまん」するから老化する』(PHP文庫)『自分が高齢になるということ【完全版】』(朝日新書)、『大人のための勉強法』『老人性うつ』『老いの品格』(PHP新書)『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、など900冊を超える。

和田秀樹 公式ポータルサイト ヒデキワダ・ドットコムより引用)

 

和田秀樹先生のインタビュー動画はこちらから(Youtube)